お知らせ
2013/4/1
雇用保険被保険者離職証明書の様式が変更されました。

2013/2/5
平成25年度の保険料が決定されました。

2012/10/1
事務所を移転しました。

最新情報
2013/09/03
プロフィールを更新しました。

事務所便り4月

4月 20th, 2013

4月1日から「雇用保険被保険者離職証明書」の様式が変更

様式改正の内容

2013年4月1日より「改正高年齢者雇用安定法」が施行されるのに伴い、離職理由の欄を見直し、定年により離職する者について、定年後の継続雇用に関する希望の有無等を記載する項目が新たに設けられる等、所要の変更が行われます。
また、当該離職者が定年後の継続雇用を希望していたにもかかわらず離職に至った経緯について、「a 就業規則に定める解雇事由又は退職事由(年齢に係るものを除く。以下同じ。)に該当したため…、b 平成25年3月31日以前に労使協定により定めた継続雇用制度の対象となる高年齢者に係る基準に該当しなかったため、c その他…」のいずれに該当するかを記載することとされています。

様式改正後の旧様式の取扱い

新様式には、右下に「25.04‐新」と印字されており、それ以外の者は旧様式となりますが、当面の間は旧様式も使用することができます。
しかしながら、旧様式には上記のように離職に至った詳しい理由を記載する欄がありませんので、事業主が「具体的事情記載欄(事業主用)」に記載する必要があります。
具体的には、離職理由欄の「2 定年、労働契約期間満了等によるもの(1)定年による離職(定年 歳)の横に○を付し、カッコ内に定年年齢を記載したうえで、「定年退職(本人は継続雇用を希望したが、就業規則に定める解雇・退職事由に該当した)」のように記載することとなります。

契約期間満了による離職のケースにおける取扱い

例えば、60歳定年の会社で65歳まで1年ごとの契約更新で65歳までの再雇用制度が設けられていた場合で、更新基準を満たさないために期間満了で離職するときには「3 労働契約期間満了等によるもの(2)労働契約期間満了による離職」に○を付し、契約期間や更新回数、雇止め通知の有無等の必要事項を記載することとなります。
また、事業縮小等により契約更新することなく期間満了により離職するときも同じように記載します。
なお、これらの場合に提出する雇用保険被保険者資格喪失届の「5 喪失原因」は「2」を選択し、事業主の都合による離職以外の離職となります。

いまどき!?「飲酒強要」は時代遅れ

飲酒強要を「パワハラ」と認定

飲酒強要などのパワハラを受けたとして、ホテル運営会社の元社員が会社と元上司に対して損害賠償などを求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁が飲酒強要を不法行為と認定し、150万円の支払いを命じたとのことです。
一審の東京地裁判決では、元上司の別の行為についてパワハラに該当するとして70万円の慰謝料が認められましたが、飲酒強要の部分については「上司の立場を逸脱し、許容範囲を超えていたとは言い難い」として訴えが退けられていました。

「パワハラ防止規程」を策定していますか?

近年、パワハラを契機として会社や上司が訴えられる事件がテレビ等で取り上げられる機会も多く、会社側も本格的にパワハラ防止規程の策定に取り組んでいるようです。
仕事上の悩みは今も昔も「人間関係」に尽きるようですが、パワハラ訴訟などは、経営上まったく無用なコストです。日頃の労務管理で防止できれば、こんなによいことはありません。
事業戦略の厳しさに比べれば、パワハラは経営トップの強い決意と社内への会社目標の十分な浸透があれば、事件に発展する確率は限りなく低くできるものだと思います。

今年の歓迎会は低アルコール飲料で乾杯!?

最近は酒類全体の販売量が低下してきている中で、若い世代では低アルコールの飲料を好むような傾向があります。さらには“超低アルコール飲料”(アルコール度数3%以下)の商品が目立つようになり、世代の移り変わりを実感します。
これからの季節、新入社員や異動で新しく配属になった社員を交えたアルコールの入る場面も多くなります。今年は若者に交じって超低アルコール飲料の新しい味わいを楽しんでみると、新人との会話も弾むかもしれませんよ。
会社の管理責任云々以前に、「酔って乱れず」の先輩社員はカッコイイと思いませんか?

4月の税務と労務の手続[提出先・納付先]

10日
○ 源泉徴収税額・住民税特別徴収税額の納付[郵便局または銀行]
○ 雇用保険被保険者資格取得届の提出<前月以降に採用した労働者がいる場合>
[公共職業安定所]
○ 労働保険一括有期事業開始届の提出<前月以降に一括有期事業を開始している
場合>[労働基準監督署]
15日
○ 給与支払報告に係る給与所得者異動届の提出<4月1日現在>[市区町村]
30日
○ 預金管理状況報告の提出[労働基準監督署]
○ 労働者死傷病報告の提出<休業4日未満、1月~3月分>[労働基準監督署]
○ 健保・厚年保険料の納付[郵便局または銀行]
○ 日雇健保印紙保険料受払報告書の提出[年金事務所]
○ 労働保険印紙保険料納付・納付計器使用状況報告書の提出[公共職業安定所]
○ 外国人雇用状況報告(雇用保険の被保険者でない場合)<雇入れ・離職の翌月末日>[公共職業安定所]

事務所便り3月

4月 20th, 2013

2013年度の各種保険料額・保険料率が決まりました

国民年金の保険料額

2月5日に発出された告示(平成25年厚労告第18号)により、平成25年度の保険料額は、前年度より60円引き上げられ、15,040円になります。
これは、15,820円(国年法87条の3に定められた、平成25年度の法定の保険料額)に0.951(平成25年度の保険料改定率)を掛けて算出された額です。
なお、保険料を前納した場合には、毎月納付するよりも割り引かれた額での納付となります。それぞれ次の額となりますが、納付方法により割引率が異なりますので注意が必要です。
(1)1年間の保険料を前納
  ・176,700円(3,780円の割引き)…口座振替
  ・177.280円(3,200円の割引き)…現金納付またはクレジットカード納付
(2)6カ月間の保険料を前納
  ・89,210円(1,030円の割引き)…口座振替
  ・89,510円(730円の割引き)…現金納付またはクレジットカード納付
(3)1カ月間の保険料を早期納付(その月の保険料をその月末に納付)
  ・14,990円(50円の割引き)…口座振替
なお、1カ月間の保険料を現金で早期納付した場合、またクレジットカードで毎月納付する場合には割引の適用はありません。

協会けんぽの都道府県単位保険料率

2月6日に告示(平成25年厚労告第19号・第20号)が発出され、平成25年度の協会けんぽの都道府県単位保険料率については、据置きとされることとなりました。

雇用保険料率

昨年12月19日に告示(平成24年厚労告第588号)が発出され、平成24年度の料率を据え置き、一般の事業で1.35%、農林水産・清酒製造の事業で1.55%、建設の事業で1.65%となりました。

厚生年金保険の保険料率

今年8月分(9月納付分)までの保険料率は、一般16.766%、船員・坑内員17.192%となっていますが、9月分(10月納付分)からは、一般17.12%、船員・坑内員17.44%となります。

2013年における中小企業の経営環境・施策について

経営環境に最も影響のありそうな要因は「国の政策変化」

学校法人産業能率大学が中小企業の経営者を対象に実施した「2013年の経営環境認識や経営方針・施策」に関する調査(従業員数6~300人の企業経営者645人が対象)によると、「今年の経営活動に影響のありそうな要因」についての回答(上位3つ)は、次の通りとなりました
(1)国の政策の変化(55.0%)
(2)需要の不足(37.5%)
(3)国際情勢の悪化(35.3%)
政権交代による政策変化を気に留めている経営者が相当程度いるようです。

人材不足への懸念が強まる

また、同調査では、経営環境に影響のありそうな要因として、「人材の不足」(28.4%)が5位に挙がっています。
採用活動に関する質問においても、来春(2014年4月)入社の新卒採用活動を「予定あり」とする回答が24.8%、今年の中途採用活動について「予定あり」とする回答が58.3%となるなど、採用意欲が増加傾向にあることなどから、企業の人手不足への懸念が現れてきているといえます。

2013年の経営施策1位は「利益率向上」

2013年に取り組みたいことを尋ねたところ、「利益率の向上」が39.1%と最も高く、次に「営業力の強化」(37.1%)、「市場のシェアの拡大」(35.0%)、「顧客満足度の向上」(31.8%)が続いています。
その他、「従業員の教育・育成」(22.8%)についても、ここ数年では増加傾向にあるようです。

事業承継計画を策定している企業はやや増加

事業承継については、半数超が「考えている」、約35%が「考えていない」と回答し、「自分の代で廃業にしたい」がおよそ9%となりました。
承継方法としては「親族に承継したい」が42.8%、「親族以外の従業員・役人に承継したい」が32.2%となり、親族に譲渡したいと回答した人の割合は2年前の調査より若干低下したようです。

3月の税務と労務の手続[提出先・納付先]

11日
○ 源泉徴収税額・住民税特別徴収税額の納付[郵便局または銀行]
○ 雇用保険被保険者資格取得届の提出<前月以降に採用した労働者がいる場合>
[公共職業安定所]
○ 労働保険一括有期事業開始届の提出<前月以降に一括有期事業を開始している場合>
[労働基準監督署]
15日
○ 個人の青色申告承認申請書の提出<新規適用の物>[税務署]
○ 個人の道府県民税および市町村民税の申告[市区町村]
○ 個人事業税の申告[税務署]
○ 個人事業所税の申告[税務署]
○ 贈与税の申告期限<昨年度分>[税務署]
○ 所得税の確定申告期限[税務署]
○ 確定申告税額の延納の届出書の提出[税務署]
4月1日
○ 健保・厚年保険料の納付[郵便局または銀行]
○ 日雇健保印紙保険料受払報告書の提出[年金事務所]
○ 労働保険印紙保険料納付・納付計器使用状況報告書の提出[公共職業安定所]
○ 外国人雇用状況報告(雇用保険の被保険者でない場合)<雇入れ・離職の翌月末日>[公共職業安定所]
○ 個人事業者の消費税の確定申告期限[税務署]

事務所便り2月

4月 20th, 2013

「改正高年齢者雇用安定法」に企業はどう対応するか?

経団連による調査結果

改正高年齢者雇用安定法の施行が今年4月1日に迫っています。他社ではどのように対応しようと考えているのかが気になるところでしょう。
ここでは、日本経済団体連合会(経団連)から発表(昨年10月)された「2012年 人事・労務に関するトップ・マネジメント調査」の結果をご紹介します。

法改正で必要となる対応は?

上記アンケートにおける「高年齢者雇用安定法の改正に伴い必要となる対応」(複数回答)との質問に対する回答結果(上位10位)は、次の通りとなっています。
(1)高齢従業員の貢献度を定期的に評価し処遇へ反映する
(2)スキルを活用できる業務に限りがあるため提供可能な社内業務に従事させる
(3)半日勤務や週2~3日勤務による高齢従業員のワークシェアを実施する
(4)高齢従業員の処遇(賃金など)を引き下げる
(5)若手とペアを組んで仕事をさせ後進の育成・技能伝承の機会を設ける
(6)60歳到達前・到達時に社外への再就職を支援する
(7)60歳到達前・到達時のグループ企業への出向・転籍機会を増やす
(8)新規採用数を抑制する
(9)60歳到達前の従業員の処遇を引き下げる
(10)従来アウトソーシングしていた業務を内製化したうえで従事させる

賃金をどのように設定するか?

上記(9)に関連した具体的な動きとして、NTTグループでは、現役世代(40~50代)を中心に賃金額を抑制して、60歳以降の賃金原資を確保するという方針を示していますが、20歳代の従業員を中心に反対意見が多い一方、60歳代では賛成意見が多いとのことです。
「現役世代の賃金」、「60歳以降の賃金」をどのように設定するかは、各企業のフトコロ事情により大きく異なりますが、これからの大きな課題と言えるでしょう。

「職場のパワハラ」の実態と予防・解決に向けた取組み

厚労省が初めて職場のパワハラに関する実態調査を実施

厚生労働省が委託事業(事業委託先:東京海上日動リスクコンサルティング株式会社)により国として初めて「職場のパワーハラスメントに関する実態調査」を実施し、その結果が公表されました。
この調査は、「企業調査」と「従業員調査」からなり、「企業調査」は従業員30人以上の企業4,580社から、「従業員調査」は企業・団体に勤務する20~64歳の男女9,000名からの回答(2012年7月~9月にアンケート調査実施)を基に取りまとめられたものです。

パワハラが発生している職場の特徴

企業調査における結果では、パワハラに関する相談がある職場に共通する特徴として、次の項目が挙げられています。
・上司と部下のコミュニケーションが少ない職場(51.1%)
・正社員や正社員以外など様々な立場の従業員が一緒に働いている職場(21.9%)
・残業が多い/休みが取り難い職場(19.9%)
・失敗が許されない/失敗への許容度が低い職場(19.8%)
従業員調査においても、これと同様の傾向が示されています。

パワハラの予防・解決のための企業の取組み

パワハラの予防・解決に向けた取組みとして実施率が高かったのは、上位から「管理職向けの講演や研修」(取組み実施企業の64.0%)、「就業規則などの社内規定に盛り込む」(同57.1%)、「ポスター、リーフレット等啓発資料の配付、掲示」(同40.7%)でした。
これらの効果についてですが、「講演や研修」など直接従業員に働きかける取組みは効果の実感が高い一方で、「就業規則に盛り込む」といった事項では相対的に低くなる傾向が見られます。
企業規模によっても対応可能な方法に違いが見られますが、パワハラ対策には、職場環境の改善、従業員の理解促進、社内規定の整備、研修実施など、複合的な取組みが必要になってくるものと思われます。

2月の税務と労務の手続[提出先・納付先]

1日
○ 贈与税の申告受付開始<3月15日まで>[税務署]
10日
○ 源泉徴収税額・住民税特別徴収税額の納付[郵便局または銀行]
○ 雇用保険被保険者資格取得届の提出<前月以降に採用した労働者がいる場合>[公共職業安定所]
○ 労働保険一括有期事業開始届の提出<前月以降に一括有期事業を開始している場合>[労働基準監督署]
18日
○ 所得税の確定申告受付開始<3月15日まで>[税務署]
28日
○ じん肺健康管理実施状況報告の提出[労働基準監督署]
○ 健保・厚年保険料の納付[郵便局または銀行]
○ 日雇健保印紙保険料受払報告書の提出[年金事務所]
○ 労働保険印紙保険料納付・納付計器使用状況報告書の提出[公共職業安定所]
○ 外国人雇用状況報告(雇用保険の被保険者でない場合)<雇入れ・離職の翌月末日>[公共職業安定所]

事務所便り1月

4月 20th, 2013

厚生年金基金に関する改正動向と企業年金に対する考え方

気になる動向
AIJ投資顧問事件の発覚以降、厚生年金基金の今後の改正動向が話題となっていますが、11月上旬に厚生労働省(社会保障審議会)の専門委員会が開かれ、「厚生年金基金制度の見直しについて(試案)」が発表されました。
この試案は、厚生年金基金の今後のあり方についての議論のたたき台として同省がとりまとめたものであり、今後、法律改正案のベースとなります。同省では、来年の通常国会での改正法案提出を目指しています。

「試案」の内容

この「試案」の内容は、大きく3つの項目に分かれています。
(1)特例解散制度の見直しによる「代行割れ問題」への対応
(2)企業年金の持続可能性を高めるための施策の推進
(3)代行制度の見直し
このうち、(3)の中で「代行制度の段階的縮小・廃止」について述べられています。その内容は、積立不足を抱えている基金については5年以内に解散させ、10年かけて制度を廃止するというものです。
この試案については、その後開かれた専門委員会において、大半の委員が賛成しましたが、財政が健全な基金まで廃止することについては反対意見も出たようです。

今後の企業年金をどうするか?

最近になって、約36万社が加入し、約324万人の加入者がいる中小企業退職金共済制度(中退共)についても、厚生年金制度と同様の状況(深刻な積立不足等)にあるとの報道がありました。
日本経済新聞社が行ったアンケート(有力企業197社が回答)では、「企業年金が業績や財務に与える影響が重くなっている」と回答した企業が71%、「年金・退職金について給付水準の引下げを検討している」と回答した企業が21%となっています。
今後の企業年金に関する改正動向を踏まえ、中小企業においても「企業年金をどうするか?」というテーマを真剣に考えなければならない時期に来ているようです。

「副業」を検討している人はどの程度いるか?

4割以上が「副業を開始」「副業を検討」

給料やボーナスの伸び悩みで、副収入を得たいと考えている人が増加しているようです。日本経済新聞社の「日経生活モニター」に登録した読者へのアンケート調査で、副業を始めた人と検討している人が合わせて43%に達したことがわかりました。

1割の人は「すでに始めている」

約1,000人が回答した「今冬のボーナスと副収入」をテーマに実施された上記の調査によると、「始めるべきか考えることがある」が18%、「始めたいが条件に合う仕事が見つからない」が12%、「すでに始めている」が10%、「近く始めるつも
りだ」が3%となり、合計すると43%が副業を始めている、あるいは副業を行う意欲を持っているとの結果が出ています。

副業を考える理由は?

副業を考える理由については、次のような回答結果となりました。
・「生活費を稼ぐ」(48%)
・「生活に余裕が欲しい」(41%)
・「自分の小遣いを捻出する」(34%)
・「老後資金を貯蓄したい」(33%)
「年金だけでは老後の家計を維持できない不安がある」、「自由に使えるお金が減ったため、その補填が目的」など、老後への備えや生活の維持などの理由が目立っています。
希望する収入額は「5万円未満」が54%で、希望する副業は「単発のアルバイト」、「家庭教師、コンサルタント」などが多かったようですが、反面、「会社に知られたくない」人も多く、本業の勤め先で「会社で副業が禁止されている」との回答は47%に達しました。
また、今冬のボーナスについては、支給額が「減りそう」との回答が昨冬に比べ7ポイント上昇して48%になり、「耐久消費財などの買い物」、「旅行・レジャー費用」を抑える一方、「貯蓄」、「生活費の補填など」に回す傾向が強まっていることもわかりました。

誰もが手を出せるわけではない

収入が減っているにもかかわらず、「子どもの教育資金」、「住宅ローンの返済」、「老後資金の準備」など、家計の負担は増える一方のため、副業への関心は高まりつつあるようです。ただ、副業は誰もが手を出せるわけではなく、就業規則などと板挟みになって悩む人も多いようです。

1月の税務と労務の手続[提出先・納付先]

10日
○ 源泉徴収税額(※)・住民税特別徴収税額の納付[郵便局または銀行]
○ 雇用保険被保険者資格取得届の提出<前月以降に採用した労働者がいる場合>[公共職業安定所]
○ 労働保険一括有期事業開始届の提出<前月以降に一括有期事業を開始している場合>[労働基準監督署]
21日
○ 特例による源泉徴収税額の納付<前年7月~12月分>[郵便局または銀行]
31日
○ 法定調書<源泉徴収票・報酬等支払調書・同合計表>の提出[税務署]
○ 給与支払報告書の提出<1月1日現在のもの>[市区町村]
○ 固定資産税の償却資産に関する申告[市区町村]
○ 個人の道府県民税・市町村民税の納付<第4期分>[郵便局または銀行]
○ 労働者死傷病報告の提出<休業4日未満、10月~12月分>[労働基準監督署]
○ 健保・厚年保険料の納付[郵便局または銀行]
○ 日雇健保印紙保険料受払報告書の提出[年金事務所]
○ 労号保険料納付<延納第3期分>労働保険印紙保険料納付・納付計器使用状況報告書の提出[公共職業安定所]
○ 外国人雇用状況報告(雇用保険の被保険者でない場合)<雇入れ・離職の翌月末日>
本年最初の給料の支払を受ける日の前日まで
○ 給与所得者の扶養控除等(移動)申告書の提出[給与の支払者(所轄税務署)]
○ 本年分所得税源泉徴収簿の書換え[給与の支払者]

事務所便り9月

8月 26th, 2009

日本人の平均寿命が過去最高を更新

女性86.05歳、男性79.29歳

厚生労働省が2008年「簡易生命表」を公表し、日本人の平均寿命が女性86.05歳、男性79.29歳となり、ともに過去最高を更新したことがわかりました。前年に比べて女性は0.06歳、男性は0.1歳延びていますが、インフルエンザの流行などにより、平均寿命が短くなった2005年以降、3年連続の延びです。
「簡易生命表」は、その年の死亡状況が変わらないと仮定して、各年齢の人が1年以内に死亡する確率や、平均してあと何年生きられるのかの期待値を示す「平均余命」の指標です。また「平均寿命」とは、0歳時の平均余命のことです。

女性は24年連続世界一、男性は4位へ後退

日本人女性の平均寿命は24年連続世界一で、男性は2007年の3位から4位に後退しました。女性の2位は香港の85.5歳、3位はフランスの84.3歳、4位はスイスの84.2歳の順です。
一方、男性の1位はアイスランドの79.6歳、2位は香港とスイスの79.4歳となっています。

医療・年金制度の充実が求められている
2008年に生まれた赤ちゃんのうち、65歳以上まで生きる人の割合は女性で93.4%、男性で86.6%となっており、さらに90歳以上まで生きる人の割合は女性が44.8%、男性が21.1%となりました。
平均寿命が延びた理由については、医療水準の向上などにより、三大死因とされる「がん」、「心臓病」、「脳卒中」の死亡率が下がったことが大きな要因とされており、交通事故による死亡者数が減ったことも影響しているようです。
平均寿命が延びることに伴って高齢者等が安心して暮らせる社会にするためにも、医療や年金といった制度の充実がますます求められます。

利用が増える遺言信託のメリット

伸びる利用件数
社団法人信託協会(http://www.shintaku-kyokai.or.jp/)のまとめによれば、今年3月末時点における「遺言信託」の利用件数が、6万5,612件(前年同月末比6.4%増)となったそうです。
この遺言信託については、大手の信託銀行だけでなく地方銀行なども取扱いを行っており、サービスを拡充していることから、利用件数はこの5年間で約1.5倍となっているそうです。

「遺言信託」とはどんなものか?

「遺言信託」は、信託銀行などが、遺言書作成の助言・保管・執行などを一括して顧客から請け負うものです。顧客に対して、法的に有効な遺言書の作成方法を助言し、作成した遺言書を保管し、死亡後に執行(遺言書に従った遺産の処理、口座の名義書換など)を行うサービスを提供します。
この遺言信託には、一般的に、遺言書の保管だけを行う契約形態と、執行までをまとめて行う契約形態があるそうです。

「遺言信託」利用増加の背景

遺言書は、公証役場の公証人に作成を依頼したり、弁護士に執行を依頼したりすることもできますが、(1)作成のアドバイスをもらえること、(2)遺言内容の定期的な見直しなどのアフターフォローがあること、(3)執行の際の手際が良いことなどから、主に富裕層や企業オーナーなどが信託銀行に依頼するケースが増えているようです。
また、相続に関しての権利意識が高まっていることなども、この「遺言信託」の利用件数拡大に繋がっているようです。

9月の税務と労務の手続き
[提出先・納付先]

10日
○ 源泉徴収税額・住民税特別徴収税額の納付
[郵便局または銀行]
○ 雇用保険被保険者資格取得届の提出<前月以降
に採用した労働者がいる場合>
[公共職業安定所]
○ 労働保険一括有期事業開始届の提出<前月以降
に一括有期事業を開始している場合>
[労働基準監督署]
30日
○ 健保・厚年保険料の納付[郵便局または銀行]
○ 日雇健保印紙保険料受払報告書の提出
[社会保険事務所]
○ 労働保険印紙保険料納付・納付計器使用状況報
告書の提出[公共職業安定所]

~当事務所よりひとこと~

今年の夏は、天候が安定せず、夏らしい日が少なかったように思われます。また、そのせいか各地で大雨による土砂災害等が頻繁におき、多数方が被害に遭われました。
さて、新型インフルエンザの感染が再び拡大しています。
日本でも、ついに新型インフルエンザによる死亡者が確認されました。今後、感染の拡大が心配されております。
これからは、会社内において、また、社外においても、新型インフルエンザ対策を検討してゆく必要があると思われます。

事務所便り8月

8月 11th, 2009

公的年金の運用損失が過去最悪に

年金積立金の運用主体

公的年金を運用している年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の2008年度の市場運用利回りがマイナス10.03%だったことがわかりました。
GPIFは、厚生労働大臣から委託され、国民年金と厚生年金の年金積立金の管理および運用を行っています。積立金は平成12年度までは全額を旧資金運用部に預託することが義務付けられていましたが、平成13年4月に財政投融資制度改革が行われ、厚生労働大臣による自主運用が実施されています。この改革により、積立金は一部を除いて厚生労働大臣からGPIFへ寄託されることとなりました。
そして、今年3月末の運用資産総額は約117兆円で、このうち市場運用分が約92兆円を占めており、資産構成割合は国内債権が67%、国内株式が12%、外国債券が11%、外国株式が10%となっています。

さらなる積立金不足の可能性も

今回の運用損失は過去最悪の9兆6,670億円で、特に第2および第3四半期の落ち込みが大きく響いています。
これは、リーマンショック等により拡大した金融危機とその実体経済への波及による急激な景気減速から内外の株式市場が大幅に下落したことに加え、対ユーロを中心に為替市場で急速に円高が進んだことが影響しています。
中でも、運用分の利回りの成績が最も悪かったのが、外国株式の-42.21%、次いで国内株式の-35.55%です。その結果、平成19年度末に7兆4,180億円あった累積黒字は、平成20年度末に1兆9,908億円の累積損失に転落し、5年ぶりに累損を抱えることになりました。
日本の場合は、債権での運用が主体なため、海外に比べると今回の金融・経済危機の影響は比較的小さかった面もありますが、運用利回りが好転しないとさらなる積立金不足の問題を引き起こす可能性が潜んでおり、企業・労働者の将来ヘ様々な影響を与えることにもなります。

夏本番を前にした熱中症対策

意外と多い熱中症による事故

熱中症は、高温多湿な環境下で、体内の水分・塩分のバランスが崩れたり、体内の調整機能が破たんしたりするなどして発症する障害の総称です。
熱中症により死亡した労働者の数は、平成11年以降は毎年20人前後で推移しており、平成20年は17人でした。業種別で見ると、平成18年~20年の3年間(合計は52人)で、建設業(33人)、製造業(8人)、警備業(2人)の順に死亡者数が多くなっており、当然のことながら炎天下での業務を強いられる業種が多くなっています。

また、熱中症により4日以上休業した労働者の数は平成19年には約300名でした。

厚労省による「熱中症予防対策マニュアル」

厚生労働省では、熱中症による労災事故を防止するために、先日、「職場における熱中症予防対策マニュアル」
(http://www.mhlw.go.jp/houdou/2009/06/dl/h0616-1b.pdf)を発表しました。それによれば、熱中症防止のポイントは以下の通りです。

(1)職場の暑熱の状況を担握した作業環境管理・作業管理・健康管理
(2)熱への順化期間(熱に慣れ、環境に適応する期間)の計画的な設定
(3)自覚症状の有無によらない水分・塩分の摂取
(4)熱中症発症に影響を与える疾患(糖尿病・高血圧症等)を踏まえた健康管理

また、他に参考になるものとして、東京労働局では熱中症への注意喚起を促すリーフレット( http://www.roudoukyoku.go.jp/roudou/eisei/pdf/pamphlet_2009.pdf)を作成しており、熱中症に関する事例などが掲載されています。

熱中症を予防するには

まずは、一人ひとりが日頃から健康管理に留意しておくことが大切です。暴飲暴食、睡眠不足などには特に注意が必要です。また、体調の悪そうな労働者には炎天下での業務を行わせないといった配慮も必要です。
また、外での業務の場合、通気性の良い作業服、着帽などは必須です。そして、上記のマニュアルでも挙げられていますが、こまめな水分補給が必要です。「のどが渇いた」と感じたときにはすでに水分が不足しているケースが多いものです。ミネラル等が十分に含まれたスポーツドリンクや塩水などが効果的です。

8月の税務と勤務の手続き[提出先・納付先]

10日
○ 源泉徴収税額・住民税特別徴収税額の納付
[郵便局または銀行]
○ 雇用保険被保険者資格取得届の提出<前月以降に採用した労働者がいる場合>
[公共職業安定所]
○ 労働保険一括有期事業開始届の提出<前月以降に一括有期事業を開始している場合>
[労働基準監督署]
31日
○個人事業税の納付<第1期分>
[郵便局または銀行]
○ 個人の道府県民税・市町村民税の納付
<第2期分>[郵便局または銀行]
○健保・厚年保険料の納付[郵便局または銀行]
○日雇健保印紙保険料受払報告書の提出
[社会保険事務所]
○ 労働保険印紙保険料納付・納付計器使用状況報告書の提出[公共職業安定所]

~当事務所よりひとこと~

今年も暑い夏の季節になりました。最近の夏の気温は、35℃ を超える日も珍しくなく、今月の記事のように熱中症になる人が多くなっているようです。
特に外で作業する人は、水分をこまめに取るなど、熱中症対策を行って頂きたいと思います。

□当事務所夏季休暇について
8月13日~8月16日まで
よろしくお願い致します。

事務所便り7月

6月 29th, 2009

母親の4割超が「子どものため自分は犠牲に」

親は子どもの犠牲に?

「自分の生き方より子育てを優先」。新聞報道によると、大手通信教育社が幼稚園児や保育園児の子どもを持つ母親を対象に行った調査で、「子どものために自分が犠牲になるのは仕方ない」と回答した人の割合が5年前より増え(全体の40%超)、このような考え方が増えていることがわかったそうです。一方で「自分の生き方も大事にしたい」と考える母親の割合は減っています。

子育ての意識が高まる

「子育ても大事だが自分の生き方も大切にしたい」と答えた母親は5年間で7.1ポイント減少して56.7%となりました。

家庭でのしつけについては、起床や就寝時間など「規則正しい生活リズムが身につくようにしつけている」と回答した母親が14.3ポイント増加して70.7%となっています。学力面では、「小学校入学までに読み書きができるように心がけている」と答えた母親が5.1ポイント増えて25.3%になりました。過半数が週に1~2回以上、「一緒にひらがなやカタカナの学習をする」と答えたほか、40%近くが「一緒に数や算数の学習をする」といい、しつけや教育への関心の高まりがうかがえます。

家庭の事情に応じた支援策を

母親の就業別に回答を求めた質問では、専業主婦の48.4%が「自分は子育てに向いている」と回答したのに対し、フルタイムで働く母親は40.8%でした。また、フルタイム勤務の人の14.6%が「良い母親であろうとして、かなり無理をしている」と答えています。

夫婦でお互いの関心事を話し合うフルタイム勤務の母親は58.0%で、専業主婦(75.5%)に比べると大きく下回り、調査を行った会社では「常勤の母親にとっては育児と仕事の両立が難しい状況が生まれている。個々の家庭の実情に応じた支援策が必要になってくるだろう」としています。

中小企業の生き残り策として注目を集める「第二会社方式」

「第二会社方式」とは?

近年、経営状態が厳しくなった中小企業による「第二会社方式」の活用件数が増加傾向にあるようです。

この「第二会社方式」とは、経営困難に陥っている企業の中でも収益性のある事業部門について、事業譲渡や会社分割の方法によって別法人(第二会社)に分離し、赤字部門を残した旧会社を清算することにより事業の継続を図るものです。

この方式を活用した事業再生は、不良債権のリスクを負わずに損金算入の手続きが容易なことから、金融機関やスポンサーの協力が得やすいというメリットが大きく、非常に注目されています。

デメリットはないのか?

上記の「第二会社方式」については、これまで、以下のようなデメリットが指摘されていました。

(1)第二会社において事業継続に必要な運転資金を確保するために、多額の資金調達を必要とすること。

(2)事業の継続に必要な資産の移転にあたって、税負担が発生すること。

(3)第二会社により継続を図る事業が行政官庁の許認可等の対象となっている場合、改めて許認可等の取得申請が必要となること。

デメリット解消のための法改正

今年の4月22日に成立した「改正産業活力再生特別措置法」により、上記のデメリットが解消されることになりました。つまり、「必要な事業資金に対する金融支援」、「登録免許税・不動産取得税負担の軽減」、「特例による営業上必要な許認可の承継」が認められるようになったのです。

改正法はすでに4月30日に公布され一部施行されていますが、主要事項の施行は今年7月以降になるとみられており、今後、指針等も発表される予定です。これから、この「第二会社方式」を活用する中小企業がますます増えてくるかもしれません。

7月の税務と労務の手続き[提出先・納付先]

10日

○ 労働保険の今年度の概算保険料の申告と昨年度分の確定保険料の申告書の提出期限[都道府県労働局または労働基準監督署]

○ 健保・厚年の月額算定基礎届の提出期限<7月1日~10日>[社会保険事務所または健保組合]

○ 源泉徴収税額・住民税特別徴収税額の納付[郵便局または銀行]

○ 特例による源泉徴収税額の納付<1月~6月分>[郵便局または銀行]

○ 勤労青少年旅客運賃割引証交付申請書の提出<7月11日~8月20日>[労働基準監督署]

○ 雇用保険被保険者資格取得届の提出<前月以降に採用した労働者がいる場合>[公共職業安定所]

○ 労働保険一括有期事業開始届の提出<前月以降に一括有期事業を開始している場合>[労働基準監督署]

15日

○ 所得税予定納税額の減額承認申請<6月30日の現況>の提出[税務署]

○ 身障者・高齢者・外国人雇用状況報告書の提出[公共職業安定所]

31日

○ 所得税予定納税額の納付<第1期分>[郵便局または銀行]

○ 固定資産税<都市計画税>の納付<第2期分>[郵便局または銀行]

○ 労働者死傷病報告の提出<休業4日未満、4月~6月分>[労働基準監督署]

○ 健保・厚年保険料の納付[郵便局または銀行]

○ 日雇健保印紙保険料受払報告書の提出[社会保険事務所]

○ 労働保険印紙保険料納付・納付計器使用状況報告書の提出[公共職業安定所]

~当事務所よりひとこと~asa_cut06.jpg

今年度より、労働保険年度更新、社会保険算定基礎届の提出期限が、7月10日になりました。

年度更新、算定基礎届は、年に1度の重要な手続です。特に今年から時期が一緒になりましたので、忙しいと思いますが、間違えの無い事務処理をお願いいたします。

また、年度更新、算定基礎届に関しての、相談、提出代行は、当事務所までお願いいたします。

事務所便り6月

6月 1st, 2009

労働基準監督署への申立て件数が増加

雇用情勢悪化の中…

景気後退で雇用情勢が悪化し、労働基準監督署に不服を申し立てる労働者が急増しているようです。不当な解雇や賃金不払いなどを不満とするケースが多くみられ、2008年の申立て件数は39,384件となり、1955年以来、53年ぶりの高水準となりました。

申立て内容の検討

全国約320の労働基準監督署では、雇用問題に関する労働者からの相談や申告を受けつけています。これをもとに調査を実施し、労働基準法などの法律違反が判明すれば、企業に是正勧告がなされます。勧告に従わない企業は送検されることもあります。

2008年の申立て件数は前年比11%増え、厳しい不況に見舞われた直後の昭和55年(55,999件)以来の高水準となりました。2009年に入っても1月は3,647件、2月は3,811件と高水準で推移しています。

2008年の内訳をみると、最も多いのは賃金不払い(28,955件)で、経営不振の企業から賃金をもらえなくても数力月間辛抱して働き、我慢できなくなって最後に申し立てる労働者が目立っています。一方、職場に突然来なくなるなど、賃金不払いの責任が労働者にあるケースもみられます。

解雇は7,360件で、解雇に至るまでの手続きが十分でない企業が多くみられます。企業が労働者を解雇する場合、30日以上前に予告する必要がありますが、予告しないときには30日分以上の賃金(解雇予告手当)を支払わなければいけません。こうした手続きを知らない企業の増加が不服を申し立てる件数を押し上げているとみられています。

労使トラブルに発展する前に

現在、やむなく労働条件の引下げや希望退職者の募集、解雇など雇用調整を行わざるを得ないとする企業が多くみられます。労働条件引下げや解雇などを行うことがやむを得ない場合であっても、実施に当たっては、法律で定められている手続き、労使間で定めた必要な手続き等を遵守するとともに、事前に労使間での話合いや労働者への説明を行うことが必要です。これらを怠ると労使のトラブルに発展します。

厚生労働省では、労働条件引下げや解雇をやむを得ず検討しなければならない場合であっても守らなければならない法令の概要や、労務管理上参考となる裁判例の主なものを取りまとめた「厳しい経済情勢下での労務管理のポイント」(http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/kantoku/dl/081218-1.pdf)というリーフレットを作成しました。このリーフレットで労務管理のポイントを自社と照らし合わせ、適正な手続きのもと労使トラブルに発展することを回避したいものです。

国民年金納付率が過去最低を更新

3年連続で低下

2008年度の国民年金保険料の納付率は62%前後となり、過去最低だった2002年度を下回りました。3年連続の低下で、政府が目標とする80%との乖離が広がっています。

納付率低下が与える影響

国民年金の納付率が低下した原因として、年金記録問題への対応に人手を割かれて保険料収納担当は人員削減となり、収納が効率よくできなかったことや、記録漏れ問題への不信感から意図的に支払われなかった人が増えたことなどが挙げられます。そして、雇用情勢の悪化も追い討ちをかけ、リストラなどで離職者が増え、厚生年金から国民年金に切り替わるケースが増加し、生活費の確保を優先して滞納する人も増えていると指摘されています。

厚生労働省がまとめた公的年金の財政検証によれば、国民年金の納付率が80%で推移すれば、現役世代の手取り収入に対する厚生年金の給付水準は「50.1%」に下げ止まると試算しています。しかし、納付率が低下すれば積立金が減るなどして前提条件が崩れ、政府が約束する「50%給付」は難しくなると言われています。

さらに、国民年金未加入者や未納者が加入期間を満たすことができず、将来年金を受け取ることができない無年金者が増えると、生活保護者を増やすことにもつながり、国の負担はますます増えることが懸念されています。

納付率アップヘの取組み

社会保険庁は、1990年代前半に80%台を維持していた納付率を回復させようと、クレジットカードやインターネットで納付ができるように環境を整備しているほか、収納業務の民間委託対象を増やすなど強制的な徴収の枠組みづくりなどにも力を入れ、納付率の向上を目指してきました。

そして、今年11月からは「住民基本台帳ネットワーク」を活用し、国民年金のみ加入者を把握し、34歳と44歳に達した人を対象に国民年金への加入を勧奨するそうです。ねらいは、通知を送ることで未加入者を効率的に減らすことです。

納付率の低さが、将来我々の受け取ることができる年金に響いてくるという現在の年金制度にも問題があるように思いますが、何よりも、なぜ国民年金を払う必要があるのかということ、加入することのメリット、年金を受給するためには必ず加入期間が25年必要であることなど、国民に対してわかりやすい制度の説明を十分に行うことが必要でしょう。

年金への不安や不信感が高まる中、年金に対する意識を変えることが納付率向上の一番の近道になるように思います。

6月の税務と労務の手続[提出先・納付先]

10日

○ 源泉徴収税額・住民税特別徴収税額の納付[郵便局または銀行]

○ 雇用保険被保険者資格取得届の提出<前月以降に採用した労働者がいる場合>[公共職業安定所]

○ 労働保険一括有期事業開始届の提出<前月以降に一括有期事業を開始している場合>[労働基準監督署]

30日

○ 個人の道府県民税・市町村民税の納付<第1期分>[郵便局または銀行]

○ 健保・厚年保険料の納付[郵便局または銀行]

○ 日雇健保印紙保険料受払報告書の提出[社会保険事務所]

○ 労働保険印紙保険料納付・納付計器使用状況報告書の提出[公共職業安定所]

~当事務所よりひとこと~ill_ajisai08.gif

6、7月は、労働保険の年度更新、社会保険の算定基礎届の提出の季節です。労働保険は、雇用保険の保険料率が引下げられた為、今年度は、負担がかなり減りました。

1年限りの措置ですが、来年度以降も、継続してもらいたいと思います。

事務所便り5月

5月 29th, 2009

都道府県単位に変わる、健康保険の保険料率

昨年10月にスタートした「協会けんぽ」

平成18年に行われた健康保険法の改正により、平成20年10月に「全国健康保険協会」(通称:協会けんぽ)が設立され、運営がスタートしています。

これまで、中小企業等で働いている従業員やその家族が加入している健康保険(政府管掌健康保険)は、国(社会保険庁)により運営されていましたが、新たに協会けんぽが運営することとなったものです。

ところで、協会けんぽ設立時に「都道府県別の健康保険料の設定」となることが決まっていましたが、その詳細は明らかになっておらず、協会けんぽ設立後1年以内に(平成21年9月までに)、事業主・被保険者が参画する運営委員会や各都道府県の評議会において意見徴収のうえ設定されるとされていました。

3月末にその取扱いが明らかになりましたので、ご紹介します。

「都道府県単位保険料率」設定の背景

従来、全国一律に設定されていた保険料率では、疾病予防等の地域の取組みにより医療費が低くなったとしても、その地域の保険料率に反映されないという問題点が指摘されていました。そのため、国民健康保険や長寿医療制度(後期高齢者医療制度)と同様、都道府県単位の財政運営を基本とする改革が行われ、その一環として都道府県単位の保険料率が導入されました。

なお、平成25年9月までは、都道府県間の料率の差を小さくして保険料率を設定することとなっており(激変緩和措置)、平成21年度は実際の保険料率と全国平均の保険料率との差が10分の1に調整されています。

「都道府県単位保険料率」

都道府県ごとに定められた保険料率は以下の通りです。長野県が最も低く、北海道が最も高くなっていますが、全体的に見ると、比較的「南高北低」の傾向にあるようです。

なお、健康保険組合の保険料率は、平均で7.41%です(2009年度予算早期集計より)。

・8.15%… 長野

・8.17%… 群馬・埼玉・千葉・山梨・静岡

・8.18%… 岩手・山形・茨城・栃木・東京・新潟・滋賀

・8.19%… 宮城・神奈川・富山・岐阜・愛知・三重・京都・愛媛

・8.20%… 福島・福井・兵庫・鳥取・宮崎・沖縄

・8.21%… 青森・秋田・石川・奈良・和歌山・島根・高知

・8.22%… 大阪・岡山・広島・山口・長崎・鹿児島

・8.23%… 香川・熊本・大分

・8.24%… 徳島・福岡

・8.25%… 佐賀

・8.26%… 北海道

今後の取扱いについて

都道府県単位の保険料率については、今年の9月分(一般の保険者については10月納付分、任意継続被保険者については9月納付分)から適用されます。

施行された「改正雇用保険法」のポイント!

ついに改正法が成立!

改正雇用保険法が成立し、3月31日から施行されています。成立から施行までの期間が非常に短く、しかも年度末からの施行ということで、雇用情勢の厳しい現実が伺えます。果たして失業者を救う改正となるでしょうか。

今回の改正点を大きく分類すると、以下の7点が挙げられます。

(1)雇用保険の適用範囲の拡大

(2)雇止めとなった非正規労働者に対する基本手当の受給資格要件の緩和と所定給付日数の拡充

(3)再就職が困難な方に対する給付日数の延長

(4)再就職手当の給付率引上げおよび支給要件の緩和

(5)常用就職支度手当の給付率引上げおよび支給対象者の拡大

(6)育児休業給付の統合と給付率引上げ措置の延長

(7)雇用保険料率の引下げ

改正の具体的内容

(1)短時間労働者や派遣労働者の雇用保険の適用基準について、従来は「週所定労働時間が20時間以上あり、1年以上引き続き雇用されることが見込まれること」が条件でしたが、1年以上の雇用の見込み期間が「6カ月以上」と短縮されました。

(2)特定受給資格者に該当しない方でも、期間の定めのある労働契約が更新されなかったことその他やむを得ない理由により離職された方(特定理由離職者)については、基本手当の受給要件が「離職日以前2年間に被保険者期間が通算して12カ月以上」必要なところ、「離職日以前1年間に被保険者期間が通算して6カ月以上」あれば要件を満たすようになりました。基本手当の給付日数も解雇等による離職者並みに手厚くなりました。

(3)解雇や労働契約が更新されなかったことによる離職者について、年齢や地域を踏まえ、特に再就職が困難な場合に給付日数が60日分延長されることになりました。

(4)再就職手当の支給要件が、従来の「所定給付日数を3分の1以上かつ45日以上残している場合」から「所定給付日数を3分の1以上残している場合」に緩和されました。さらに、再就職手当の給付率についても、現行の30%から40%(支給残日数が3分の2以上ある場合は50%)に引き上げられました。

(5)障害者等の就職困難者が所定給付日数を残して安定した職業に就いた場合に支給される常用就職支度手当の給付率が、従来の30%から40%に引き上げられました。

(6)これまで、「育児休業基本給付金(30%)」と「育児休業者職場復帰給付金(20%)」と分けて支給されていた育児休業に関する給付が、平成22年4月からは、統合され、休業中に「休業開始時賃金日額×支給日数×50%」が支給されることになります。

(7)失業給付に係る分の雇用保険料率が各業態とも0.4%(労使とも0.2%ずつ)引き下げられ、この結果、別途の事業主負担分0.3%を合わせた雇用保険料率は、一般の事業で1.1%(農林水産・清酒製造業1.3%、建設業1.4%)となりました。

5月の税務と労務の手続[提出先・納付先]

10日

○ 源泉徴収税額・住民税特別徴収税額の納付[郵便局または銀行]

○ 雇用保険被保険者資格取得届の提出<前月以降に採用した労働者がいる場合>[公共職業安定所]

○ 労働保険一括有期事業開始届の提出<前月以降に一括有期事業を開始している場合>[労働基準監督署]

31日

○ 自動車税の納付[都道府県]

○ 健保・厚年保険料の納付[郵便局または銀行]

○ 日雇健保印紙保険料受払報告書の提出[社会保険事務所]

○ 労働保険印紙保険料納付・納付計器使用状況報告書の提出[公共職業安定所]

~当事務所よりひとこと~ill_rose10.gif

雇用保険法が3月31日に改正されました。今回の改正では、保険料率が引下げられましたが、今年度1年限定の措置ということです。

今回の経済危機を克服する為にも、更なる経済政策を期待したいところです。

事務所便り4月

4月 13th, 2009

国会審議中の「雇用保険法改正案」の内容

◆ 国会で改正案を審議

 現在、雇用保険の適用拡大」「失業給付の拡充」「雇用保険率の引下げ」 などが柱である雇用保険法改正案が通常国会に提出され、審議が進められています。ここでは、その改正内容を簡単にご紹介します。

◆ 改正案の目玉

 改正案の目玉の1つは、「雇用保険の適用拡大」です。受給資格要件を緩和し、現行の「雇用見込み1年以上」から「雇用見込み6ヵ月以上」に短縮するとしています。厚生労働省では、この短縮が行われた場合、新たに約l48万人の労働者が雇用保険の適用対象となると見込んでいます。しかし、それでもパート労働者など約858万人は対象にはならないと言われており、問題視されています。

 また、「失業給付の拡充」も大きな事項です。解雇や労働契約が更新されなかったことによる離職者について、年齢や地域を踏まえたうえで、特に再就職が困難な場合には、給付日数が60日分延長されることになります。

◆ その他の改正内容

 その他、「雇用保険率の引下げ」(平成21年度に限り0.4%引下げ)、育児休業給付の見直し (休業中と復帰後の給付を統合して休業期間中に全額支給)、再就職手当の支給要件緩和・給付率の引上げ(30%から40%または50%に) なども盛り込まれており、成立すると企業にも影響を与えます。

◆ 施行日をめぐる問題

 当初、この改正案が成立した場合の施行日は、一部を除き「4月1日」と予定されていました。しかし、野党側は、年間の離職者の約1割が「3月31日」に集中しているというデータを持ち出して、施行日を「4月1日」より前にすべきだと主張しています。

 雇用情勢の悪化を受けて、「年度末の失職者を含んだ適用」を見据え、与党側もこの主張に応じる構えを見せていると言われており、今後、野党側との修正協議が行われる見込みとなっています。

公的年金制度はこの先も本当に大丈夫なのか?

◆ 2年連続でマイナス運用

 公的年金の積立金の市場運用利回りが、2年連続でマイナスになる見通しだそうです。2007年度に5年ぶりのマイナスに転じて5兆8,000億円余りの損失を出した運用利回りですが、国内外の株価低迷を受け、2008年度における損失額は10兆円に達する可能性もあるとされています。

 現行の公的年金制度は、向こう約100年にわたり平均4.1%の利回りを確保できることを前提としています。この前提のハードルの高さが鮮明となったことにより、年金制度の危うさが露呈しています。

◆ 財政検証による年金制度の見通し

 現在、高齢者が受け取ることのできる年金の財源は主に3つあります。1つ目が「現役世代の支払う保険料」、2つ目が「国庫負担」、3つ目が「運用しつつ徐々に取り崩す積立金」です。

 安定的に年金を受給できるかどうかのカギを握るのは、制度の支え手である現役層の厚さを決める「出生率」と、積立金の運用を左右する「経済情勢」です。近年、出生率が下がり続けており、また、経済情勢も悪化しているために、年金制度への不安がかなり高まっています。

 厚生労働省は、5年ごとに行っている公的年金の財政検証をこのたび実施しました。これによれば、「所得代替率」(現役世代の平均手取り収入に対して厚生年金のモデル世帯の標準的な年金受取額が何%になるかを示す比率) は、将来も50%を維持できると試算されています。この数字だけをみると、非常に良い数値だといえます。

しかし、実際には、16兆2,000億円あった累積収益は、積立金の市場運用を始めた2001年度から2006年度末までに約9割減り、昨年末時点で1兆7,000億円弱にまで減っています。年金の主な給付財源の1つである積立金が減っているにもかかわらず、試算上は「50%給付」を維持できることとなるのは、経済が安定的な成長軌道に戻る、年金制度の担い手が増えるなどといつた甘い見通しで計算を行っているからだと言わざるを得ません。

◆ 「100年安心」の年金制度実現へ何が求められるか

今回行われた公的年金の財政検証では、今後の約100年を見通して政府が公約する給付水準の下限の50%を何とか確保できると結論付けましたが、50%維持へのつじつま合わせの跡もうかがえます。

 「100年安心」をうたう年金制度ですが、「100年安心」の年金制度を実現するためには、制度改革の議論とともに、安定給付のカギを握る経済成長と少子化対策への戦略が必要です。年金制度の安定には、「経済情勢回復」と「出生率向上」の両輪が欠かせないといえます。

4月の税務と労務の手続き

4月の税務と労務の手続き 提出先・納付先
10日 源泉徴収税額・住民税特別徴収税額の納付 郵便局または銀行
雇用保険被保険者資格取得届の提出
(前月以降に採用した労働者がいる場合)
公共職業安定所
労働保険一括有期事業開始届の提出
(前月以降に一括有期事業を開始している場合)
労働基準監督署
15日 給与支払報告に係る給与所得者異動届の提出
(4月1日現在)
市区町村
30日 公益法人等の道府県民税・市町村民税
均等割申告・納付
都道府県・市区町村
固定資産税(都市計画税)の納付(第l期分) 郵便局または銀行
軽自動車税の納付 市区町村
預金管理状況報告の提出 労働基準監督署
労働者死傷病報告の提出
(休業4日未満、1月~3月分)
労働基準監督署
健保・厚年保険料の納付 郵便局または銀行
日雇健保印紙保険料受払報告書の提出 社会保険事務所
労働保険印紙保険料納付・納付計器使用状況
報告書の提出
公共職業安定所

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 今年の冬は、冬らしい日が長続きせず雨が多く、暖かい冬だった様な気がします。やはり、地球温暖化の影響でしょうか。

 さて、今国会で現在審議中の雇用保険法改正案が成立しますと、保険料率が 0.4%引下げられる予定ですが、来年度1年限定の予定です。

 政府には、企業の保険料負担の軽減の為に、引続き引下げられた保険料を維持してもらいたいと思います。

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